日々のとなりに花を―。「flower kiosk」が目指すもの

七理由芙さん (BOSK FLOWERS)

JR鳥取駅と鳥取県庁をつなぐ若桜街道の中心付近にある「Tottoriカルマ」。多様な業種の店長たちがリレーしながら営業し、月ごとにカレンダーを更新するこのお店で花を売るのは「BOSK FLOWERS」七理由芙さん。特定の店舗を持たないスタイルを選んだ理由やこれからのことを聞きました。

― 現在のお仕事について教えてください。

「Tottoriカルマ」での営業と、「いなばのお袋市」などのイベント出店をメインで行っています。取り扱っている花は様々ですが、今回の山陰三ッ星マーケットでは友人の育てた無化学肥料、減農薬の露地栽培の花で出店します。

― 農薬や化学肥料を使わないお花と使うお花、どんな違いがありますか?

花は基本的に、野菜のように口にするものではなく、さらに見た目が重要なため、化学肥料や農薬を使って育てられることが多いと思います。職業として花と関わっているとよく分かるんですが、農薬・化学肥料を使わないお花はずっと触っていても“手にまとわりつく感じ”が無いんです。そういう、目に見えない部分こそ花本来の美しさ・強さのような気がして、お客様にもそんなお花を持ち帰ってもらいたいと思っています。

― 育てられるプロセスも含めて提供されている感じですね。ご自身で栽培されているんですか?

いえ。減農薬・無化学肥料のお花は山梨県から仕入れています。大学時代に花屋でアルバイトをしていたことが今のお仕事を始めたきっかけなのですが、その後勤めた店での同僚であり友人が、山梨の花農家で生産の手伝いをすることになり、私もそこへ年に一度手伝いに行っていました。朝もやの中の畑でじかに目にして感動しました。花の質が全く違うんです。
友人は八ヶ岳で露地栽培をして花を育てているのですが、八ヶ岳は朝晩の寒暖差が大きく日照時間が長いので、とてもきれいな色の花が咲きます。そんな、自然の力で咲いた花のきれいさに私自身が惹かれ、山陰の人たちにも是非 手にとってもらいたいという思いから始めたのがBOSK FLOWERSです。大事に使わせてもらっています。

出店のようす(ご本人提供)

― ご自分のお店を持たれないんですか?

毎日お店を開けられればいいなとは思いますが、実現にはまだまだ距離があるなというのが現状です。1人で動かせる仕事の範囲、花という長持ちしない商材の管理の難しさもあって、花屋として休まずお店を開けることの大変さを日々実感しています。効率化ばかりに気を取られて品質をおろそかにできないですし、まずは今の状態を続けながら理想に近付くための模索を色々としています。まず、お店より先に作業場が欲しいなと感じますね。
お店の場所も、幼い頃から慣れ親しんだこのまちが好きなのですが、だんだんと地元(兵庫県 新温泉町)への思いも強くなっていて、いい形で両立できないかと考えます。

(そうこう会話をしていると、通りがかりに覗かれる方・花を買って帰られる方が何人かいました)― 花というアイテムがちょっと身近になった気がします。

人どおりの多い街道に面しているので、ふらっと立ち寄られる方・覗かれる方が結構いらっしゃいます。ふらっと寄ってパッと買う、そんな気軽さでもっと日常に花があるといいなと思っています。イメージは“キヨスクのような花屋”ですね。

山梨から届いた花のディスプレイ

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印象的だった「キヨスクのような花屋」という言葉。ちょっと気になって語源を紐解いてみると、駅のキヨスクの語源のひとつに「“気安く”利用してもらいたい」という願いがあったそうだ。まちの人たちにとって気安い存在であってほしいというのは まさに七理さんの思いを言い得ている気がする。多くの人が行き交う街道にある“花のキヨスク”が、花という存在をもっと身近に感じさせてくれるだろう。
(文:安藤隆雄 写真:島田卓矢)

BOSK FLOWERS代表。新温泉町出身、在住。「Tottori カルマ」での営業、いなばのお袋市などイベントへの出店を中心に活動する傍ら、実家の稼業も手伝う。おすすめは、減農薬・無化学肥料で露地栽培された季節の花。
【ホームページ】http://boskflowers.tumblr.com