バラジャムで話題!「とっとりのジャムおじさん」に会ってきた

長谷川哲夫さん (はせ川ジャム)

自家製ジャムを製造・販売している長谷川哲夫さん。道の駅など直売所での委託販売を主とし、週末には賀露町の『地場産プラザ わったいな』の販売コーナーに自ら赴いて試食販売を行っています。これまでに手掛けたジャムの種類はなんと30種類以上!中でも、バラの花びらで作られたバラジャムは独特の香り・味わいでした。最近では関西圏など鳥取県外からのリピーターも増えてきているそう。長谷川さんのジャムに対する思いや姿勢について、お話を聞いてきました。

―とてもたくさん種類がありますね。いつ頃からジャムを作り始められたのですか?

実は50歳くらいまで、高校の教師をしていました。ある時期から農業への関心が高まり、そんな折、私の弟が農業法人を立ち上げるなど周囲の環境変化もきっかけとなって一念発起、退職を決意しました。ジャム作りを始めたのはそれからのことです。その後ご縁があり、再び高校で非常勤の講師としても勤めさせてもらっているのですが・・・つまり現在は兼業なんですね。

―50歳を過ぎて教職から農業への転換は、大きなターニングポイントだったのではと思います。その頃のお話を詳しく聞かせてください。

退職してすぐの頃はビジョンがまだ少し漠然としていて・・・ただ、「花を扱いたい」という思いだけはありました。ただし花をそのまま売ろうというのではなく、何かひと手間、自分の手を加えたものを買い手さんへ届けたいと思っていました。咲いて散って、それでおしまい―というのが、惜しく思えたんですね。もうひと過程、あっていいんじゃないかと。そうして色々調べたり考えたりした結果、たどり着いた答えがジャムでした。

『わったいな』の販売コーナー
ジャム以外の加工品も

―「花」からスタートした思考が「ジャム」に着地するというのは面白いですね。すでに長谷川さんのオリジナリティが確立している気がします。

勤めていた倉吉総合産業高校の「倉総祭(学内イベント)」でバラジャムを販売させてもらい、反応は上々で手応えを感じることができました。また、同校ではビジネス科とのタイアップで商品の開発も行いました。試作した中で印象的なものに「長芋のジャム」があります。味は良かったのですが日持ちしないという弱点があり、商品化は断念しましたが・・・。バリエーションを増やしていきたいという意識は常にあり、徐々に種類を増やしてきました。原材料の仕入れ状況によって季節限定販売となる商品もありますが、常時20種類くらいは店に並んでいます。

―ジャムを作る上でこだわっていることを教えてください。

人が口にするものですから“安全で美味しいものを”という思いは一番強く、原材料にはこだわっていますね。産地・農家さんを特定したものはもちろん、私用に卸してもらっているものもあります。主食材だけでなく、砂糖も北海道から取り寄せた甜菜糖にこだわっています。余分なものを混ぜませんので、その結果、色も素材本来の自然なものになります。バラジャムにも実は3種類の色があるんですよ。

バラジャム。独特の香りが印象的でした
素材本来の自然な色

―品質にこだわりながら常時20種類以上ものジャムを作るのは大変ではないですか?

『わったいな』で販売をしていると、買い手さん以外に同業の人との交流があります。果物や野菜の生産者が集まる場所にいることで、農家さんとの出会いが生まれ、良質な原材料の調達を実現できますし、新商品開発のヒントももらっているんですよ。

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最後に私が投げ掛けた「これからやってみたいことは?」という質問に対し、「新しい商品の開発」とサラリと答えてみせた長谷川さん。既に多くのバリエーションを生み出し、バラジャムという個性的な商品を持ちながら開発の姿勢を崩さないスタンスは、心から「つくること」が好きで、そのことを楽しまれているのだと感じられた。長谷川さんの挑戦は続く。
(文:安藤隆雄 写真:島田卓矢)

鳥取市青谷町出身、在住。県立高校の非常勤講師と並行して、自家製ジャムの販売を行う。のべ30種以上のジャムは「地場産プラザ わったいな」のほか、鳥取県内の道の駅(きなんせ岩美、清流茶屋かわはら、道の駅はわい)、麒麟のまち(大阪)等で買うことができる。