【イベントレポート】ヒトとシゴトをデザインする〜高知四万十いなかパイプから学ぶ〜

齋藤浩文さん

高知四万十からゲスト4人を迎え、ヒトとシゴト、地域のデザインについて考えるセミナーを開催

年の瀬も迫った12月27日に高知は四万十からゲスト4名を迎えてセミナーを開催しました。場所は鳥取市の中心市街地、駅前民藝館通りにある空き店舗物件にて開催しました(前日までとうって変わって底冷えする寒さ、、暖房は準備しましたが、ちょっと寒かったですね)。
ゲストは
①佐々倉玲於 氏(一般社団法人いなかパイプ 代表理事)
②迫田司 氏(サコダデザイン株式会社 代表取締役)
③林大介 氏(道の駅よって西土佐 駅長)
④朝比奈雅人 氏(四万十市役所 観光商工課長)
の4名、民間、行政各方面から色々とお話しを伺うことができました。

底冷えする寒さの中、、熱い内容を聞くことができました

働きながら暮らしを楽しむ「働き方開発」

イベントは一般社団法人いなかパイプ 代表理事の佐々倉さんの進行で進みました。
佐々倉さんは高知県の四万十エリアで、”いなかパイプ”という法人の活動を通じて、都会の人材と田舎の仕事・暮らしをつなぐことを実践されています。
”働き方改革”や”副業・兼業”がトレンドになる前より、いなかでは季節に応じて仕事を組み合わせた働き方が普通。1次・2次・3次産業なんでも地域にある仕事をみんなでやろう!という”いなかインターンシップ”を商品として準備し、それを通じて、自分に最適な仕事や暮らしを丁寧にマッチングされています。
いなかパイプには
●いなかドア(3泊4日5万円(税込)〜=お試しプラン)
●いなかインターンシップ(29泊30日10万円(税込)〜=研修プラン)
●いなかマッチ(いなかパイプにてスタッフとして働く)
コースがあり、特にいなかインターンシップは人気が高く、地域の1つの仕事場だけでなく、複数の仕事を体験することができるようです。

ここでキーとなるのは、地元側で複数の事業者さんと信頼・協力関係を構築していること(最初は「そんな短期間の人材なんて受け入れられないよ!と断られることも多かったとか」)、またその豊富な選択肢から都会からの人材のフィーリングに合う仕事や暮らしを丁寧にマッチングされているところにあるのだなぁと感じました。

https://inaka-pipe.net(いなかパイプHP)

いなかパイプHPより

地デザイナーの提唱者サコダデザイン、迫田さん

今回のイベントは実は「地デジミーティング(番外編)」という冠もついていて、この「地デジ」というのが、今回のゲスト、サコダデザインの迫田さんが提唱されている”地デザイナー”という考え方に基づいたものです。

迫田さんは、デザインの世界で数々の受賞歴がありながらも、全国でそれを自分の仕事につなげているわけではなく、地域の人と一緒にデザインをしていく手法を「地デジミーティング」を通じて全国に伝えられています。地産地消、地酒、地物などと同じくデザインの分野でも、地域には「地デザイン」が必要だ、「1町1デ(1つの町に1人の地域デザイナー)」を唱えられて全国でのミーティングの回数は今回で182回目になるそうです。

地域の人を巻き込みながら、想いを乗せたデザインを作っていく、その手法はリノベーションにおけるDIYワークショップに似ているところがあるなぁ、「”主体的な当事者”を増やしてものごとを進めていく」ところに共通点を感じました。

いなかパイプHPより

サービス日本一の”道の駅”「よって西土佐」の駅長、林さん

前述の佐々倉さん迫田さんの活躍が目覚ましい四万十ですが、そんな中で2016年に完成したのが、道の駅「よって西土佐」です。お話しを伺っていると、そんな関係者の力がここにギュッっと集まってできたことが理解できました。

まず、行政の関わり方が羨ましい。今回も四万十市の観光商工課長の朝比奈さんが一緒に来鳥されていましたが、小さなエリアだからこそ公民連携がうまく機能している印象を受けました。朝比奈さんはいわゆる「スーパー公務員」なのだろうと、また僕たちの周りにも同年代で思いのある役人さんがたくさんいますが、課長クラスで現場と連携しながら活動されていると、やはりスピード感に直結するんだなと。

イベント終了後には、年の瀬の夜の弥生町に講師陣と出かけました。みなさん土佐人、、やはり飲みは激しいww。0次会、1次会、2次会、3次会、、夜が老けていく中で、林さんからは道の駅だけに関わらず、地域を考えていく中での本質の話を聞いたような気がします。
「よって西土佐」は作るまでのプロセスが何年にもわたって丁寧にデザインされているよとのことでした。迫田さんの地域住民を巻き込む手法が、行政も関与しながら上手い具合に進んでいったのだと思います。
そもそも車がたくさん通る地域ではない故のコンセプト、道の駅が目的地になることを目指し「四万十住民の生活発表の場」、「地域のダイジェストを魅せる」ことにこだわっているとのことでした。
そしてオープンから3年目の今年、「フリーペーパー道の駅の読者が選んだ ジャンル別ナンバーワン道の駅はココだ!」において、サービス部門No.1に輝かれたとのことです。それはコンセプトはもちろん、スタッフに経営理念を浸透させ、サービスを徹底した林駅長の力量なのだと感じました。

イベント開催側ではありましたが、今回は自分自身が、まさに地域の縮図となっている道の駅や、いなかパイプの人材マッチングなど、四万十に心奪われた一日となりました。
働き方、暮らし方、デザイン、公民連携プロジェクト、鳥取でも参考になること盛りだくさんの、2019年を締めくくるのにピッタリなイベントになったと思います。